突然
毎週末働いていたサロンを辞める事になった。
一昨日までいつも通り働いていたのに
昨日突然ボスから連絡があり私のポジションを見直したいと言われた。

学校を卒業して初めて働かせてもらった場所で２ヶ月半。
全てが未経験の初心者だが
技術もまだまだだが
それでも自分の持っている１００％の力で頑張ってきたつもりだ。
疲労困憊になり体中筋肉痛と腰痛に泣いたが
それでもこれも経験とひたすら頑張ってきたつもりだ。

最近では自分でも
始めた頃よりはウォッシュや爪切り等のスピードもかなり早くなってきて
「私も少しは成長してるかも」なんて思っていた。
だから
ポジションの見直しと言われた時は
「働ける日数が増えるのかな」なんて期待していた。

しかし
ボスから言われたのは全く逆の言葉。
「あなたの仕事は遅すぎる。高い給料を払っているのにそれでは割に合わないわ」
「これ以上仕事が早くなるどころかきっとあなたは遅くなるわね」
「それではビジネスとして成り立たない。どうしたらいいのかしら？」
みたいなことがつらつらとメールに書かれていた。

これって
直接はっきりとは言ってないけどクビってこと？
と思った私はそのメールを何度も何度も読み返しそして涙が溢れてきた。
あんなに一生懸命頑張ってきたつもりだったのに
まるで逆の評価をされていたことに悔しくて悔しくて涙が止まらなかった。

私はまだこの仕事を始めたばかりだから手は抜きたくないし
気付かれないかもしれないけどわんこの細部に至るまで
自分が出来る事はパーフェクトにしよう！と思ってわんこに接していた。
誰よりもきれいに洗ってあげようと思っていた。
でもそれ故に時間がかかってしまい頭数をこなすことが出来ず
結果お店に迷惑をかけてしまった。
私のいたサロンはもちろんきれいに仕上げる事も大事だが
何よりとにかく早く仕上げる事が重要視されていたので
一頭一頭に時間をかけるべきではなかった。
それでもスピード重視なのは分かっていたので
自分が出来る最大限の早さでこなしていたつもりだ。

ボスからのメールを読んで「私も少しは成長したかも」
なんて思っていた自分がものすごく恥ずかしくなった。
あんな風に言われてしまったらもう仕事にも行きづらいし
今の私にとってはこれ以上のスピードでやる＝手を抜くという事になるので
そんなことは絶対出来ない。

もっと経験のあるグルーマーならそれが出来るのかもしれない。
どこにもっと時間を費やすべきか時間配分はどのくらいか
細かい事が分かるのかもしれない。
でも始めたばかりの私にはそれは難しいし
見習いである以上決して手を抜く事はしたくない。

全ては私の力不足の結果なのでどうしようもないし
反省すべき所はたくさんあるが
仕事の事でこんなにも悔し涙を流したのは始めてだ。
「これ以上迷惑をかけられないので辞めます」とメールを返した。
こんな私を雇ってくれて感謝の気持ちはたくさんある。
色々教えてもらった他のグルーマさんにも本当に感謝している。
しかし
まだまだ習いたかった事もたくさんあるし
プレッシャーに耐える精神力と技術と体力を身に付けたかった。
そこを離れるのは悲しいしやっぱり何より悔しい。
でもお店に貢献出来ない以上それは仕方ない。
すごくすごく残念でならない。

ここからは「拾う神」のお話。
平日も働けるサロンを探していて
実は先週から新しい場所で働き始めた所。
もちろんここもスピードを要されプレッシャーはあるが
だからと言ってみんな手を抜く様なことは決してしない。
シャンプー　ドライ　グルーミングの全てに至るまで完璧。
忙しいサロンだとドライはケージに入れて
なんて所がたくさんあるがここは決してそんな事はしない。
１００％ハンドドライで小さな毛玉一つも許されない。
ちょっとミスがあるとどんどん注意される。
それと同時にきれいに出来るとどんどん褒めてもくれる。

仕事は大変だけどそれだけ技術も身に付く。
早さも大事だが決してそれだけを必要とせずそれ以上に丁寧さが重視される。
今までできなかった丁寧さを加えながら仕事をすることが出来る。
これは今の私にとってすごくありがたい環境。

学校を卒業してすぐは
「ウォッシャーとしてではなくカットをさせてもらえるグルーマーとして」
働く事が出来る場所を探していたが
未経験のしかも技術もない私にはそんな場所はあるわけもなく
今はとにかく「基礎が完璧にできるグルーマー」を目指すことにした。
ウォッシュやドライが完璧に出来なければカットなんて出来る訳がないし
どこに行っても使い物にならない。
ハサミのことは少し忘れて今はウォッシュ＆ドライに徹底しよう。

平日週２日勤務と聞いていたのだが
今日行くと出勤日数が増えていた！
やったあ！！
週末のサロンの辞職は残念だったが
ボスや仲間には認めてもらえなかったが
私自身が「少しは成長出来たかも」と思えた事が大事かとも思うので
これからもその向上心を忘れずに頑張って行こうと思う。

「捨てる神あれば拾う神あり」
いい言葉ですね。